感傷的な玩具

記録をみると1990年かぁ…、[坂本龍一·beauty]ライブツアーのドキュメンタリー番組があって、『ニュースステーション』でにわかに人気があった若林さんだったか、がインタビュアーとして出演していたり、ツアーのゲストとして

[アート·リンゼイ][ユッスー·ンドゥール]

ツアーメンバーに

[ネーネーズ]

と、ビデオに録画していたので、繰り返し観て楽しんだ。

 

最終盤、パリ、アンコール。

『ラスト·エンペラー』

 

ロピアノ、最小限のシーケンサー?の補助はあったが、感動的な演奏だった。ピアニストとしてはどんな評価かはわからないが、作曲家としてのチカラを思い知った。

戦場のメリークリスマス』『シェルタリング·スカイ』と、映画音楽の分野での活躍も「さすが教授!」ですな。

 

映画で使われてる音楽には「素敵やん」なモノがたくさんある。聴けば浮かぶラブリーなシーン、音楽の効果を知る。

 

素敵な一曲

[ヘンリー·マンシーニ]

『ピンク·パンサーのテーマ』

 

“ワクワク”と“怪しい”と“印象的”が同居していて楽しい。「こんな旋律、よー思いつくなぁ」とほとほと感心する。

ビッグバンドスウィングの傑作!

B級映画?のテーマ曲であり、コントに使われるなどで扱いが軽いところもあるがやっぱり“超名曲”ですよね。

[ピーター·セラーズ]の“クルーゾー警部”もはまっててバッチリすぎる。

 

[ヘンリー·マンシーニ]には他にも映画音楽としての名曲が多数だ。“映画”とのいい距離感というのか、曲制作の環境が整うのか…ある種の制約(監督の要求、ストーリーなど)みたいなモノがあったほうが創造力が湧くということかも。

発想力の素晴らしさ、「天才とはこういうもんか」と改めて感じる。

 

視覚と聴覚の相互作用で情緒豊かに。

 

脳裏に張り付いた音楽は、時に映像を呼び起こし、“悦楽の森”への善き伴侶になることも、“自虐の海”の航海士にもなる。

そんなことを意識せずとも音は音速で“無意識”を撹拌したり慰撫したりする。それを聴くとなぜ、「気持ちいい、わるい…」のか?

 

晩年の[坂本龍一]はミュージック·コンクレートに関心を示していた。自然音、機械音、雑踏、雑音、騒音、更に無音まで世の全部の音に、平等に“音権”を与える考え方に向かうものなのか。

[ヘンリー·マンシーニ]は映画音楽の、当然だが、いわば音楽を奏でる為だけに産まれた“楽器”を使った、ある意味“狭いキャンパス”の中で…

 

熱い鉄を打てる環境を確保できるほど

“遊べる”。

 

「ラスト·エンペラーはピンクの豹」だったら、それは楽しい、面白い世界だ。

「オモチャ」をみつけられたらいいよね。