シネマグラフィティ①

「一番好きな映画は?」の設問はよくあるが、答えるのに引け目がある。というのも、観ていないモノが多いもんで…

「あの有名作観てないの?」ってツッコまれるのだが、しゃーない、縁がなかったと思うようにしている。

映画だけでなく音楽や本、まあ、なんでも全般に“浅い”“薄い”のは自覚あり。突き詰めないでグダっとさせたまま、洞察がないので説得力に欠ける。まあええか。

 

新しいのは全然観ていない、古い映画ばかり、しかも映画館ではなくレンタルビデオ、テレビでのチェックが主だ。こんなところも引け目の一因になる。「映画館の大きいスクリーンで観てこその映画」と有識者の常識、無識者は「すんまへん」と言うしかない。

 

こんな僕でも一応好きな映画はある。

 

1949年 監督[キャロル·リード] イギリス

『第三の男』

 

10回くらいは観た。

[オーソン·ウェルズ][ジョゼフ·コットン][アリダ·ヴァリ]主演のこの作品ほど面白い映画はないでしょう、ザ·完璧映画。

散々語られているので解説などはそちらを参照してもらったほうが良いが、僕なりの見所だけ少し…

主役陣はもちろん脇役陣のキャラクターが素晴らしい。あまり出演時間は長くないのだが、[クルツ男爵(役名)]がなんかいい。

猫がでる。(猫好きはこんなん嬉しい)

当然“光と影”の撮影手法。

ラストシーンの長目の“間”。

音楽。滅びのチター師、[アントン·カラス]

誰もが知る曲だ。で、[チター]なんて楽器はこれで知った。

etc…

 

残念なのは、DVD化された際に「訳」が変わったこと。できれば、焼き付け字幕スーパーのモノ(公開時?)を観て欲しい。

 

紹介したい映画はまだある。

有識者”の解説、考察も多数だ。あたりまえ、そちらのほうが絶対的に適切、的確だ。

浅薄でも、「面白い」「素晴らしい」と感じたモノは伝わったらいいなと思う。

 

『第三の男』、モノクロの最高傑作。

“無識者”でも感動はありますよ。