悦楽のギターソロ

[ボビー·ヘブ]のヒット曲『サニー』は数多のカバーがあり、中でも[ダスティ·スプリングフィールド]のそれは3拍子スウィングで、2分足らずの間に4回の転調があり楽しい。

 

そして、シンプルながら叙情味溢れるメロディーは、インストゥールメンタリストの格好のネタになる。

 

[パット·マルティーノ]

というジャズ·フュージョン系に分類されるギターリストのアルバム

『Live!』

3曲目『サニー』のインストカバーは「一世一代の名演」として好きな人も多いはず。

 

オクターブ奏法でテーマ2コーラスの後、“神憑り”ギターソロスタートだ。

静かなフレーズで入りアイドリングといった感じか、随所に16分フレーズをまぶしておく。バックの煽りを受けソロ3~4コーラスあたりから16分フレーズの大炸裂!憑りつかれたかのように…憑りつかれていたのだろう。

途中拍手が入る。更に続く。

余韻に浸らせないまま16分攻撃は止まないが、なんとか落ち着かせて締める。

10コーラス、5分弱…

 

エレピソロ、これも渋い。神憑りソロの直後だから印象薄まるけど「ブラボー!」4コーラス。

 

エンディング、テーマ2コーラス後ターンアラウンド部分の盛り上げも素晴らしい!特にドラム、テーマ部分ではスネアリムショットで抑えておいて、そこからの加速感がいい。短いが、ライドシンバルワークを聴き逃すな!スティックの先で腹でカップを打つ、たまらん。

そしてゆっくりになり、終演。約10分半。

 

ギターソロ史に残る超名演として幅広く認知されているが、バック陣の演奏も聴いてほしい。ビッグネームはいないけれど、グルーヴが揃ったとき、バイブスが合ったときはきっと名演になる。

“神”か“悪魔”が降りてくる。