クレイジー·ダイアモンド

きたる5月17日(金)、洋楽ファンにとっては嬉しい2本の映画が公開予定とのこと。

1本は“レゲエ”の巨星

『ボブ·マーリー ONE LOVE』

最近定番のミュージシャン伝記ものらしいが、役者陣をはじめ、演奏面もクオリティー高いようなので、楽しみである。

 

もう1本が、本命。

『シド·バレット ひとりぼっちの狂気』

[ピンク·フロイド]の創始者のドキュメンタリー…

僕にとっては「この人のドキュメンタリーが観れるとは!」なのだ。いやはや、隔世の感を強くする。

“シド”といえば[ヴィシャス]の認知の人が多いだろうが、“シド”=[バレット]も一定数居るはず。謎めいた存在であり、残された音源も少ない。その音楽は“唯一無二”で好き嫌い別れるだろう。僕はもちろん、大好きだ。

[ピンク·フロイド]の最初期アルバムをヒットさせたが、既に壊れはじめたシドはバンドを去り(クビ?)、[シド·バレット]名義2枚(後、発掘盤等数枚)『帽子が笑う…不気味に』『その名はバレット』を残す。1枚目のタイトルやソロアルバムのジャケ写を見て「あぁ…」と納得するでしょ?

サイケデリック」とは[シド·バレット]のことだと思っていた。やがて精神を崩壊させて“狂ったダイアモンド”になる。

シドが去った[ピンク·フロイド]の中心[ロジャー·ウォータース]、シドのことは「永遠に越えられない」存在として葛藤し、違うサウンドでバンドを更なる成功に導く。そしてアルバム『炎』でシドを賛美しバンドとして“神秘”を解いた。

 

とあるストリートミュージシャンが『wish you were here』(邦題、『あなたがここにいて欲しい』)のイントロを奏でると、ギャラリーが合唱する動画を観たが、もはやスタンダードなのだろうか?メジャーバンドとはいえ、「プログレ括りの曲がねぇ…」との感慨も深くなる。確かにシンプルな名曲、もちろんシドに向けられている。

「あなたがここにいて欲しい」と…

 

ふたりの“シド”。

[シド·ヴィシャス]のほうが映画の題材になるのだろう。

“アッパー”と“ダウナー”なクレイジーダイアモンド、[シド·バレット]はダウナーなほう。[シド·ヴィシャス]の“シド”は[シド·バレット]からとの噂と、[ピンク·フロイド]の名は[ピンク·アンダーソン][ディッパーボーイ·フロイド·カウンシル]という二人のブルースマンから、シドの飼い猫の名前との説もあったかな…ちょっと興味ある話。

謎は謎のままで…との思いはあるが、[シド·バレット]に関しては多分、観ずにはいられないだろう。

“夜明けに口笛を吹く”気分の時の為に。