統治する猫

子ども猫は怖いもの知らずで懸命に遊ぶ。

[モコ]と[ルウ]も例外に非ず、真夜中、早朝の運動会はほぼ毎日、壁薄住居ゆえ隣家や階下住人からのクレームが…と心配になるほど。一応ちゃんと猫オッケー物件ではある。

トイレも特に教えずとも覚え、食事も順調に離乳食から子猫用のカリカリを食べられるまでに。通販で海外プレミアムフードと呼ばれるモノを取り寄せ、まったく食べなかったり、ようやく食いつきの良いフードに当たった喜び!(平気で食べへんよーになることも…これの繰り返し)

“敷金の返りが悪くなる”を覚悟し、キャットウォークの設置に着工、極狭い部屋に完全室内飼いなれば当然、垂直運動を考え運動不足を減らす方向へ…キャットタワーと休憩のできるスペースと…押し入れや天袋部は格好の彼らの隠れ家として掃除を除き基本人間はアンタッチャブル区域に、何かあれば逃げ込めるように。

猫都市計画は現在も進行中、猫の踏み入れられない場所は、ほぼない。もはやすっかり猫園?と化したこの部屋の住み込み管理人としてはより安全と安心を届けたいものだと、換気扇下で一服しながら、耽る。

下僕化完了。

 

ルウの“貫禄”が付いたのは避妊手術後。

モコの去勢手術は既に終えていた。

(飼い猫の“避妊”“去勢”についてはいつもモヤモヤが拭えない)

モコは手術前とそんなに変わりない。相変わらずアホ丸出しで元気だ。虎猫の性(さが)か。

ルウがねぇ…なんか性格が変わった感じ、触れられるのをイヤがるように。痛いところでも在るのか?耳ダニがいたり、猫カビに感染してハゲたり何かと心配。(治療済)

モコも戸惑い対応に苦慮。今まで通りに遊びに誘っても大概「シャー!」を返される始末、悲しげな声をあげるモコ…ひとまわり小さいルウのほうが強い、モコは遠慮がちになり引く。気合いの差。

 

高所の寝床に鎮座、孤高の風情で我々を見下ろし、完全に場を統べる空気発散。

 

この後約五年続く“ルウ”時代に。