ララバイ②

これもまた、[まりりん]に歌ってほしいとか思うのだが…前回のララバイつづきで。

 

[赤い鳥]

『竹田の子守唄』

この曲のシンプルな旋律は心の琴線に触れ涙腺を弛める。シンガー[山本潤子]を特別にしているのは、淡々と素朴ながらも芯がしっかりあるセピアがかった歌声。

[赤い鳥]バージョンは女声男声ユニゾン·コーラスがワンコーラスごとに変えた構成にし色を着ける。4コーラス目

♪この在所越えて

この部分、男声コーラスのボリュームが少し上がりエモーショナルだ。

ま、「子守唄が扇情的でどうすんねん」「子供おきるわ」ってツッコミはなしで…エンタメですよ。

 

歌詞的には、「奉公に出された子の望郷の歌」ということに問題はないのだが“放送禁止歌”だった時期がある。タイトルにビビった放送局が自粛した。

京都、竹田地区…被差別部落の子守唄。当時、放送局などに対する部落解放同盟の糾弾が激しい頃だったか、とにもかくにも同和絡みは避けていた。

僕自身、同和地区で育ったので「石川兄ちゃんを返せ!」(狭山事件)なんてやっていたのを覚えている。子供だったので「なんのこっちゃ?」だったけど…

♪石川青年 取り戻せ

 差別裁判 打ち砕け

だったかな、歌もあった。

 

部落問題を真正面から歌った

[岡林信康]『手紙』

が『朝まで生テレビ』で流れたのはさらに後のこと、ちょっと緊張感あったな。

 

『竹田の子守唄』邦楽屈指の名旋律を持つ良い歌なのでヒットはしたが、放送にはほとんどのらない。悲しい話だ。

“部落差別”は今も、「部落地名」を検索する個人、そして企業も後をたたない。

 

人間の「差別する心」は消えないのかもしれないが、そのことが生む悲哀は“歌”となって“歌われて”伝わるだろう。