別れの夜

単身で猫と暮らすとなにかと気苦労が多い。「面倒だ」ってことではなく心配が尽きないという意味で。

判っていて同居を始めているので、当然のこととして納得しているし、やっぱり猫が居るのは“しあわせ”なことなのです!

 

『家猫ぶんちゃんの一年』[真造圭吾]という短編漫画があり、まったく他人事じゃない僕は何回読んでも号泣してしまう。

冴えない中年男性が猫と暮らしているさなか孤独死、飼い猫ぶんちゃんのその後のお話、なのだが、“猫と暮らす”ということを真摯に考えさせられる。

 

約7年前、17年と半年一緒だった黒猫[にゃーちゃん]を亡くした。

“その時”の一週間前から、それまで尿路結石を患った時以外一度もなかった粗相をするようになり、ほとんど押し入れ内の定位置(寝床を設えてあった)から動かなくなった。食べ物を摂らなくなり、翌日予約の診療の前夜、逝ってしまった。抱っこしていた腕のなかで。二度、ヒキツケたような呼吸。その数十分前にはオシッコをし腕が温かくなって少し嬉しかったのに。

その“ぬくもり”は今も忘れない。

 

[にゃーちゃん]はいい子だった。賢い猫だった。神戸で保護されて縁あってウチの子になった。アホな飼い主の三回の引っ越しにも付き合わされたが、でもすぐになれた(猫にとって環境の変化は大ストレス)。

いつも布団で一緒に寝た。なぜかオデコをよく舐めてくれた。クールなやつ。

 

二度と猫は飼わない。

 

8ヶ月後、二匹の子猫がウチに…